【地盤改良工事】ウルトラコラム工法
ウルトラコラム工法は、 セメント系固化材スラリーを用いる機械攪拌式深層混合処理工法です。
独自形状の十字型共回り防止翼を有する掘削ヘッドを採用し、粘性土地盤などで問題となる土の共回り現象による攪拌不良を低減。
また、施工直後にコラムの比抵抗をミキシングテスターで測定し、攪拌状況を確認することで、高品質のコラムを築造できます。
攪拌(かくはん)装置
先端に固化材の吐出口を設けた中空ロッドと攪拌翼、2種類の共回り防止翼、掘削翼で構成したシンプルな攪拌装置です。
共回り防止翼の「突出翼」は、翼長が掘削径よりも長く、地盤から反力を得ることで回転を防止します。
また、「中間翼」は翼長が短く、貫入時の抵抗を抑えるとともに、粘性の高い土質の攪拌・混合に効果を発揮します。
建築技術性能証明を取得
当工法は(財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しています。
財団法人日本建築総合試験所は、 昭和39年(1964年)に設立された国土交通省・経済産業省共管の公益法人です。
建築全般に関する試験、評価、開発研究等を行うことにより、建築物の質の向上、安全性の確保を図り、国民生活の向上に貢献することを目的としています。
財団法人日本建築総合試験所ホームページ
幅広い用途に対応
建築物の基礎の他、盛土の沈下・すべり対策、土留め壁、止水壁など、幅広い用途に利用できます。
小規模建築物の基礎
中層建築物の基礎
河川築堤・護岸の基礎
道路・盛土の沈下防止
山留め・止水壁
隣接構造物への影響防止
特徴
【1】独自の技術で攪拌効率アップ
新開発の十字型共回り防止翼の採用で攪拌作業を効率化しました。
【2】確かな品質管理
ミキシングテスター(比抵抗測定器)で攪拌状況を確認し、サンプラーで対象土質のコラムの強度などを入念にチェックし、施工品質を高めます。
【3】多彩な改良形式を選択可能
新開発の十字型共回り防止翼の採用で攪拌作業を効率化しました。
【4】小規模建築物にも対応
戸建住宅をはじめ、3階以下の小規模建築物の柱状改良杭工事にも対応できます。
【5】さまざまな現場に対応
施工現場に合わせて、小型クローラー式やラクタークレーン式、建柱車、バックホウなどさまざまな施工機械を選択できます。
【6】幅広い土質に適応可能
攪拌効率が高いので、砂質土、粘性土、ローム、シラスなど、幅広い土質に対応できます。
【7】コラム径φ500~φ1300mm
施工できるコラム径は、小規模建築物ではφ500mm~φ800mm、一般建築物ではφ500mm~φ1300mmです。
【8】発生残土を低減
原位置土とセメント系固化材スラリーを攪拌混合する工法なので、発生する残土が少なく処理も容易です。
【9】低騒音・低振動
周辺環境への影響を最小限に抑えることができます。
仕様及び適用範囲
適用建築物 | 小規模建築物 | 小規模建築物以外 |
---|---|---|
最大改良長 | φ500mm φ600mm φ800mm |
φ500mm~φ1600mm ただし、適用地盤がローム地盤の場合はφ1200mm、 しらす地盤の場合は φ1000mmを最大径とする。 |
固化材配合量 | 300kg/m3 | 250kg/m3 (砂質土地盤の場合は150kg/m3)以上で配合試験による。 |
設計基準強度 | 900kN/m2(砂質土、しらす) 800kN/m2(粘性土) 700kN/m2(ローム) |
500~2000kN/m2 適用地盤がローム地盤の場合は 1500kN/m2を最大設計基準強度とする。 |
固化材 | 般軟弱土用固化材 適用地盤がローム地盤の場合は、 一般軟弱土用固化材より高い固化性能を有するもの |
配合試験による。 |
改良形式 | 杭形式(杭配置、接円配置およびラップ配置)、ブロック形式、壁形式 |
---|---|
改良形式 | 建築物、擁壁および工作物 |
掘削ロッド数 | 単軸 |
掘削攪拌機構 | 水平方向掘削攪拌機構 |
共回り防止機構 | 共回り防止翼を十字に装備した本工法独自の防止機構 |
掘削攪拌翼枚数 | 掘削翼を含め6枚 |
施工サイクル | 1サイクル施工 |
施工速度 | 1.0m/分 以下 |
羽根切り回数 | 450回/m 以上 |
適用地盤 | 砂質土、粘性土、ローム、しらす |
施工手順
建築物の基礎の他、盛土の沈下・すべり対策、土留め壁、止水壁など、幅広い用途に利用できます。
準備工
敷き鉄板・表層地盤改良などの養生、地中障害物・転石の除去、芯出し・マーキング、計量装置の点検・キャリブレーション、スラリーを混練しスラリー比重の確認等を行います。
位置決め
コラム施工位置に掘削攪拌機の中心を合わせた後、オーガーの傾斜を調整します。
空堀掘進
所定の深度まで空堀掘進します。(空堀が必要な場合)
掘進攪拌
貫入速度と固化材スラリーの吐出量を施工計画書記載の所定量に保ちながら掘進攪拌を行う。
先端部練り返し
所定の施工深度に到達したら、固化材スラリーの吐出を停止してオーガーを逆回転させ、先端深度から上方へ1mまでの区間で掘削攪拌機を1往復させ、改良体先端の攪拌を入念に行います。
引き上げ攪拌
所定の速度で引き抜き攪拌を行います。
品質管理試験
所定の固化材配合量および羽根切り回数が得られていることを確認後、所定の深度まで比抵抗の測定を行い、サンプラーにて所定の深度からモールドコアを採取します。
施工機械
建柱車
バックホウ
ラクタークレーン式
小型クローラー式
品質管理試験
未固化改良体の比抵抗測定
新型ミキシングテスター(感熱紙プリンター搭載)
集計・計測スイッチ
プローブコネクタ
感熱紙
ボーリングコアによるコア採取率の確認
全長コアボーリングに対して、コア全長の観察を行い、スケッチや写真に記録。指圧や水洗いで簡単に崩れる部分を探り、断面欠損部の割合が断面の50%以上の部分を未固化部分と判定。コアの長さに対する固化部分の割合をコア採取率として確認します。
コア供試体の一軸圧縮試験
全長コアから切り出した供試体の端面を整形後、直径・高さ・質量を測定し、土の一軸圧縮試験方法(JIS A 1216)に準拠して実施します。
サンプラーによるモールドコア採取
サンプラーにより対象土質を採取し、土の一軸圧縮試験(JIS A 1216)に準拠して実施します。
六価クロム溶出試験
必要に応じて六価クロム溶出試験を行います。
スラリー比重確認
打設前の品質検査として、固化材スラリーをプラント製造中に適切な水・固化材比を確認するために実施します。
SSドリル
小規模建築物のスウェーデン式サウンディング試験時に、SSドリルにより支持地盤の土質確認を行います。
ウルトラコラム工法 NEO
実績のあるウルトラコラム工法の技術をベースにして、環境負荷低減・品質向上を達成した柱状改良工法「ウルトラコラム工法NEO」の施工も行っております。
ウルトラコラム工法NEOについてはこちらです。